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口蹄疫 牛肉高騰の兆しに百貨店ピリピリ (産経新聞)

 宮崎県で家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)が拡大している影響で、高級牛肉の店頭価格が上がる恐れが出ている。ブランド肉に肥育される子牛の競りが九州一帯で中止・延期になるケースが続出。ほかの地域の競りで子牛の価格が高騰しているためだ。百貨店や焼き肉店などは「品不足が起きないか」と神経をとがらせている。(菅原慎太郎)

 「最近、県外から来たらしい子牛の買い手がいる」

 全農岩手県本部畜産酪農部の猪原崇(いはら・しゅう)次長はこう話す。

 全国でも大規模な子牛の供給地、岩手県雫石町の県中央家畜市場で行われた子牛の競りでは、子牛1頭に先月比で4万円以上高い値が付き、40万円を超えた。猪原次長は「新しく来た人たちが高値を付けるのにつられるように、市場全体が子牛に高値を付ける傾向が出ている」とみる。

 子牛価格が急騰しているのは、口蹄疫拡大に伴い、九州全域に黒毛和牛の子牛の競り中止が広がっているためだ。農畜産業振興機構によると、5月17〜23日に中止や延期になった市場の競り・取引はほとんどすべての計24に上っている。

 取引される子牛は感染していないが、「感染の一因となる牛の移動自体を控えよう」と考える関係者が多いという。

 市場で取引される子牛の多くは、いったん肥育農家に買われ、将来、高級和牛として出荷される。九州の出荷が鈍ったため、ほかの地域で取引価格が高騰。同機構によると、5月17〜23日の全国の黒毛和牛の取引平均価格は1頭当たり41万3千円で、前年5月平均に比べ16%上昇したという。

 子牛は出荷されるまで通常1年半以上かかり、すぐに肉の価格高騰はないはずだが、流通業界では早くも警戒の声が上がっている。

 「仕入れ価格はやや上がり気味。口蹄疫で、『牛肉の価格が上がりそう』という雰囲気があるのかもしれない」と、高級和牛を販売するある百貨店の担当者は話す。高島屋や三越、大丸といった大手百貨店では、現時点で店頭での値上げはないが、ある担当者は「供給不足が起きないか警戒している」と話す。

 関東地方に200近く出店する焼き肉チェーンの担当者は「今後、価格が上がったときの対策は考えている」と身構える。農水省の担当者は「早く口蹄疫の混乱を収束させ、市場を正常に戻していかなければ」と話した。

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